空間心理で心地よいテーブル周りに。食事・会話・読書が弾む手軽な色と配置の工夫
ご主人の定年や、お子様の独立など、ライフステージの変化とともに、ご自宅での時間の過ごし方や、使う空間も変わってきますね。特に、食事をしたり、お茶を飲んだり、本を読んだりするテーブル周りは、日々の暮らしの中で多くの時間を過ごす大切な場所です。
このテーブル周りを少しだけ心地よく整えることで、心が穏やかになったり、ご夫婦の会話が弾んだり、お孫さんと過ごす時間がさらに楽しくなったりするかもしれません。大掛かりな模様替えは大変に感じるかもしれませんが、空間心理の考え方を少し取り入れて、手軽にできる「色」や「配置」の工夫から始めてみませんか。
空間心理から考える「テーブル周り」の大切さ
空間心理では、部屋の配置や色が私たちの心や行動に影響を与えると考えます。テーブルは、食事をする場所であり、家族が集まる団らんの中心となることもあれば、一人で静かに本を読む場所にもなります。その場所の「雰囲気」は、そこで過ごす私たちの心持ちにダイレクトに影響を与えるのです。
例えば、物が雑然と置かれたテーブルでは、落ち着いて食事をしたり、リラックスして読書をしたりすることは難しいでしょう。一方、すっきりと整えられ、心地よい色合いのテーブル周りなら、自然と心が安らぎ、そこに集まる人との会話もはずみやすくなるはずです。
手軽な工夫で心地よいテーブル周りを実現するアイデア
では、具体的にどのような手軽な工夫ができるのでしょうか。ご自宅にあるテーブルの種類に合わせて、いくつかのアイデアをご紹介します。
ダイニングテーブル周りの工夫
ご夫婦二人の食事の時間や、たまにいらっしゃるお孫さんとの時間に使うダイニングテーブル。ここは、家族のコミュニケーションが生まれる大切な場所です。
- 配置の工夫：
- 窓辺に近づける: もし可能であれば、ダイニングテーブルを窓辺に近づけてみましょう。自然光を感じながらの食事は、気分を明るくし、開放感をもたらします。外の景色を眺めることで、会話のきっかけにもなりやすくなります。
- 壁からの距離: テーブルと壁の間隔を少し広めに取ることで、ゆったりとした気持ちで座ることができます。空間に少しゆとりが生まれるだけで、心にも余裕が生まれるものです。
- 色の工夫：
- テーブルクロスやランチョンマット: 季節や気分に合わせて、テーブルクロスやランチョンマットの色を変えてみましょう。暖色系（オレンジや黄色など）は、食事を美味しく見せ、会話を弾ませる効果が期待できます。落ち着きたい時は、アースカラーやパステルカラーを選ぶのも良いでしょう。
- テーブル上の小物: 小さな花瓶に花を飾ったり、お気に入りの小物を置いたりするだけでも、テーブル周りの印象は大きく変わります。緑色の植物はリラックス効果があり、心が安らぎます。小物の色も、お部屋全体のトーンに合わせて選ぶと、統一感が生まれてより心地よい空間になります。
リビングテーブル周りの工夫
ソファの前に置かれることが多いリビングテーブル。ここでは、テレビを見たり、お茶を飲んだり、本を読んだり、ご夫婦で並んで座ったりと、くつろぎの時間を過ごします。
- 配置の工夫：
- ソファとの距離: テーブルとソファの距離が近すぎると、圧迫感を感じてリラックスしにくくなることがあります。少し離すことで、手足を伸ばしてゆったりと過ごせるようになり、心理的な開放感が生まれます。
- 動線を意識する: テーブルの周りを無理なく通れるように配置することは、安全面だけでなく、心理的なストレスを減らす上でも重要です。スムーズに移動できる空間は、心も軽やかにしてくれます。
- 色の工夫：
- テーブルの素材や色: 木の温もりを感じるテーブルは安心感を、ガラスのテーブルは広がりや清潔感を与えます。お部屋の雰囲気に合わせて選ぶことも大切ですが、もし変えるのが難しければ、テーブルの上に敷くものや置くものの色で調整しましょう。
- テーブル上の小物や雑誌カバー: 普段使うリモコンやティッシュケースの色を、お部屋のアクセントカラーや、心が落ち着く色に変えてみるのも良い方法です。読みかけの本のカバーを好みの色に変えるのも、視覚的な心地よさにつながります。
サイドテーブル周りの工夫
ソファの脇やベッドサイドなど、特定の場所に置かれるサイドテーブルは、「自分だけの安らぎスペース」を作るのに役立ちます。
- 配置の工夫：
- 手の届く範囲に: よく使うものをすぐに手に取れる位置にサイドテーブルを置くことは、小さなことですが、日々のストレス軽減につながります。安心感や利便性は、心地よさに直結します。
- 色の工夫：
- テーブルランプの明かり: サイドテーブルに置くテーブルランプの明かりの色（電球色など）や、ランプシェードの色は、リラックスムードを高めます。オレンジがかった温かい光は、心を穏やかにしてくれます。
- その上に置くもの: アロマディフューザーや、お気に入りのマグカップ、眼鏡ケースなど、サイドテーブルに置く小物の色を、癒やしを感じる色（グリーン、ブルー、ベージュなど）で統一すると、より心地よいコーナーになります。
小さな変化がもたらす心の変化
これらの工夫は、どれもすぐに試せる小さな変化です。しかし、テーブル周りの空間が変わることで、そこで過ごすあなたの心には、確実に良い変化が生まれるはずです。
- リラックス効果: 落ち着いた色や、ゆったりとした配置は、心身のリラックスを促します。
- 安心感: 整理された空間や、使いやすい配置は、日々の生活に安心感をもたらします。
- 気分転換: 季節に合わせた色や、新しい小物は、手軽な気分転換になります。
- コミュニケーション促進: 心地よい空間は、自然と会話を弾ませ、ご夫婦の関係をより穏やかにしてくれるかもしれません。
- 孫との楽しい時間: 安全に配慮した配置や、明るい色の取り入れは、お孫さんが楽しく安心して過ごせる空間づくりにつながります。
まとめ
テーブルは、私たちの暮らしの中心にある大切な家具です。大掛かりな模様替えが難しくても、テーブル周りの「配置」や「色」に少しだけ意識を向けて、手軽な工夫を試してみる価値は大きいでしょう。
今日ご紹介したアイデアの中から、一つでも気になるものがあれば、ぜひ試してみてください。小さな一歩が、あなたのテーブル周りを、そして日々の暮らしと心を、より豊かで心地よいものに変えてくれるはずです。