空間心理で壁をもっと心地よく。色や飾りで叶える手軽な癒やし空間
部屋の壁、実は心の状態に影響しています
お子様が独立されたり、ご夫婦二人の暮らしが中心になったり、またはお孫さんが遊びに来るようになったりと、ご自宅の空間に変化を感じていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。そんな時、「家をもっと心地よい場所にしたいな」とお考えになるかもしれません。
大規模なリフォームや模様替えは少し大変そう…と感じられる方もいらっしゃるかと思います。ですが、ご安心ください。実は、お部屋の中で意外と目を向けられていない「壁」に少し工夫をするだけで、空間全体の印象が変わり、不思議と心が安らいだり、明るくなったりすることがあります。
空間心理学では、私たちの周りの空間が、無意識のうちに心に影響を与えていると考えられています。今回は、空間心理の視点から、壁の色や飾りを少し変えることで、今の暮らしをより心地よく、心穏やかに過ごすための手軽なアイデアをご紹介いたします。
空間心理で見る「壁」が心に与える影響
壁は、部屋の中でも大きな面積を占める要素です。そのため、壁の色やそこにあるものが、私たちの視覚を通して心に大きな影響を与えます。壁が持つ役割は、単なる仕切りだけではありません。
- 安心感と落ち着き: 包み込まれるような壁の色や質感は、私たちに安心感を与え、リラックス効果をもたらします。
- 気分の変化: 明るい色や好きなものが飾られた壁は、気分を明るくしたり、元気を与えたりする効果があります。
- 空間認識: 壁の高さや色、飾り方によって、部屋を広く感じたり、心地よいこぢんまりとした空間に感じたりと、空間の捉え方が変わります。
このように、壁は私たちの心の状態と深く関わっています。次に、この壁を心地よい空間に変えるための、手軽な方法をご紹介します。
手軽な工夫で始める壁の空間心理活用術
壁全体の壁紙を変えるのは大変ですが、クッションやカーテンを変えるように、もっと気軽に壁に変化をつける方法があります。
1. 「色」を効果的に取り入れる
壁の「色」は、空間の雰囲気を大きく左右します。壁全体を塗り替えるのではなく、小さな面積やアイテムで色を取り入れてみましょう。
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落ち着きと安らぎにはアースカラーやペールトーン リビングや寝室の壁の一部に、自然を感じさせるようなベージュ、グリーン、ブルーグレーなどの落ち着いた色のファブリックパネルを飾ったり、小さな壁面収納の背板部分に落ち着いた色の壁紙シールを貼ったりするのも良いでしょう。これらの色は心を鎮め、リラックス効果を高め、穏やかな気持ちをもたらします。
- 工夫の例:
- 大きめの額縁に好きな色・柄の布を入れて飾る。
- ウォールステッカーで壁の一部分に色や柄を加える。
- ディスプレイ棚の背面だけに、好きな色の厚紙や布を貼る。
- 工夫の例:
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気分転換や明るさにはアクセントカラー 玄関や廊下、キッチンの一角など、少し気分を切り替えたい場所の壁に、明るい黄色やオレンジ、ターコイズブルーなどの小物(アートポスターやカラフルなフックなど)を配置するのも効果的です。鮮やかな色は、脳を活性化させ、前向きな気持ちを引き出してくれます。
- 工夫の例:
- 小さな絵やポスターを飾る。
- カラフルなウォールフックやシェルフを取り付ける。
- マスキングテープで簡単な柄を作る。
- 工夫の例:
2. 「飾り」で心の安らぎや楽しさをプラス
壁に何を飾るか、どう飾るかも空間心理に大きく影響します。思い出の品や好きなアートなどを飾ることで、パーソナルな心地よさが生まれます。
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思い出の品で温かい気持ちに リビングの壁に、家族写真や旅行の思い出の品を飾るコーナーを作ってみましょう。目にするたびに心が温かくなり、家族への愛情や感謝を感じることができます。ご夫婦二人の歴史を感じる品々を飾るのも素敵です。
- 飾るヒント:
- 写真を飾る際は、目線の高さに配置すると自然と目に入りやすくなります。
- フレームの色や形を揃えると、まとまりが出て落ち着いた印象になります。
- 季節に合わせて飾る写真を変えるのも、手軽な気分転換になります。
- 飾るヒント:
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好きなアートや植物でリラックス 寝室やリビングの壁に、心を落ち着かせる風景画や植物のタペストリーなどを飾ると、安らぎを感じやすくなります。好きなものを飾ることで、そこがお気に入りの空間になり、リラックス効果が高まります。
- 飾るヒント:
- グリーン系の絵や、水辺、森などの自然をモチーフにしたものはリラックス効果が高いと言われています。
- 飾るスペースに対して大きすぎず、小さすぎないサイズを選ぶとバランスが良くなります。
- 飾るヒント:
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お孫さんとの時間を心地よくする飾り お孫さんがよく遊ぶ部屋やスペースの壁には、子供向けの絵や、お孫さんが描いた絵などを飾ってみてはいかがでしょうか。低い位置に飾り、お孫さんの身長に合わせて身長計のウォールステッカーなどを貼るのも楽しいでしょう。子供目線の高さに心地よい飾りがあると、お孫さんは安心感を得て、よりリラックスして遊べるようになります。
- 飾るヒント:
- 子供が安全に触れられる素材や配置を考慮しましょう。
- 明るく、楽しげな色合いのものがおすすめです。
- 飾るヒント:
小さな一歩が、大きな心地よさにつながります
壁の工夫は、必ずしも大掛かりなことである必要はありません。お気に入りのポストカードを一枚飾る、小さなファブリックパネルをかける、ウォールステッカーを貼ってみるなど、ほんの小さなことから始めることができます。
そうした一つ一つの小さな変化が、お部屋の雰囲気を変え、それが無意識のうちにあなたの心に働きかけ、ポジティブな変化をもたらしてくれるでしょう。
ご夫婦二人の時間をより穏やかに、お孫さんとの時間をより楽しく、そしてあなた自身の毎日を心地よくするために、ぜひ今日から壁の「色」や「飾り」に少しだけ意識を向けてみてください。きっと、素敵な発見があるはずです。