空間心理で叶える、朝晩の心地よい切り替え。手軽な色と配置のヒント【夫婦二人暮らし】
朝晩の心地よい切り替え、お部屋の工夫で始めてみませんか？
子供たちが独立し、夫婦二人での暮らしが中心になるにつれて、お家での過ごし方も少しずつ変わってきますね。特に一日の始まりである「朝」と、締めくくりである「夜」の時間を、もっと心地よく過ごしたいとお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実は、私たちが普段過ごしているお部屋の「色」や「配置」は、知らず知らずのうちに私たちの心に影響を与えています。空間心理の考え方を取り入れることで、大掛かりな模様替えをしなくても、手軽な工夫で心の状態をポジティブに変えることができるのです。
この記事では、空間心理の視点から、朝は活動的に、夜はリラックスして過ごすための、手軽な色や配置のアイデアをご紹介します。夫婦二人で過ごす時間がより心地よいものになるヒントとして、ぜひご活用ください。
空間心理と心のリズム
空間心理では、私たちが目にする色や、物の配置、空間の広がりなどが、感情や行動に影響を与えるとされています。
例えば、明るい色や開放的な配置は、気分を前向きにしたり、活動的になったりするのを助けることがあります。一方、落ち着いた色や、囲まれたような安心感のある配置は、リラックスしたり、穏やかな気持ちになったりするのを促すと言われています。
私たちの心には一日の中でのリズムがあります。朝は活動に向けてエネルギーを高めたい時間、夜は一日を終えて心身を休めたい時間です。お部屋の環境を、このリズムに寄り添うように整えることで、より自然に心地よい状態へと導くことができるのです。
朝を心地よくスタートするための手軽な工夫
一日を気持ちよく始めるために、朝の光や目覚め、支度をする空間に少し工夫を加えてみましょう。
寝室で目覚めを心地よく
- カーテンの色: 目覚めに関わるカーテンには、朝の光をやわらかく取り込みつつ、心地よい目覚めを助ける色を選ぶと良いでしょう。例えば、気持ちを明るくする淡いイエローや、心身のバランスを整えると言われるグリーンなどがおすすめです。遮光性が高すぎる暗い色は、朝の目覚めを鈍らせることがあります。
- 寝具の差し色: ベッドカバーや枕カバー、クッションなどに、明るく爽やかな色を少し取り入れてみてください。目覚めたときに最初に目に入る場所に、朝らしい元気の出る色（オレンジや明るいブルーなど）があると、気分が前向きになるかもしれません。
- ベッドの配置: 可能であれば、朝日がやさしく差し込むような窓の位置にベッドを配置するのも良い方法です。自然光は心身を目覚めさせる助けになります。
洗面所や身支度エリアで気分をリフレッシュ
- 小物の色: タオルや歯ブラシスタンド、石鹸置きなどの小物を、清潔感のある白やライトブルー、グリーン系で揃えてみましょう。これらの色は心を落ち着かせつつ、爽やかな気分をもたらすと言われています。
- 鏡の周り: 鏡は空間を広く見せる効果があります。曇りなくきれいに保ち、鏡の周りに小さな観葉植物や明るい色の小物を置くと、身支度の時間がより心地よいものになります。
- 照明: 洗面所の照明は、明るく自然な色合いが顔色を健康的に見せ、一日の始まりの気分を上げてくれます。可能であれば、昼白色などの明るい照明を選ぶと良いでしょう。
リビングやダイニングで朝食を心地よく
- テーブル周りの色: ランチョンマットやナプキン、お花の飾りなどに、明るくフレッシュな色を取り入れてみてください。黄色やオレンジは食欲を増進させ、緑はリラックス効果も期待できます。
- 窓辺の活用: 朝食を食べる場所の近くに窓があれば、外の景色や光を感じながら食事をするのがおすすめです。窓辺に小さなグリーンを置くのも心地よい視覚効果をもたらします。
夜を穏やかに締めくくるための手軽な工夫
一日の疲れを癒やし、心地よく眠りにつくために、夜の時間を過ごす空間をリラックスできる環境に整えましょう。
リビングでゆったり過ごす時間
- クッションやブランケットの色: ソファに置くクッションやブランケットを、心を落ち着かせる暖色系（ベージュ、ブラウン、ワインレッドなど）や、リラックス効果のある色（深いブルー、ラベンダーなど）に変えてみましょう。肌触りの良い素材を選ぶのも大切です。
- 照明の調整: 明るすぎる蛍光灯の光はリラックスを妨げることがあります。夜は間接照明やスタンドライトなど、暖かみのある電球色の光に切り替えるのがおすすめです。影ができることで空間に奥行きが生まれ、落ち着いた雰囲気を演出できます。
- 配置の工夫: ソファの向きを、テレビだけでなく窓の外や部屋の落ち着く方向に向けるなど、くつろぎやすい配置を意識してみましょう。夫婦で会話する際にお互いの顔が見やすい配置にすることも、穏やかなコミュニケーションを助けるかもしれません。
洗面所やバスタイムでリラックス
- 色と香りの活用: バスルームに、アロマディフューザーや、落ち着いた色のタオルなどを置いてみましょう。ブラウンやグレー、ラベンダー色などはリラックス効果を高めると言われています。お気に入りの香りは、心地よい眠りへの導入にもなります。
- 照明: バスルームの照明も、可能であれば少し暖かみのある色に変えたり、間接照明を加えたりすると、よりリラックスできる空間になります。
寝室で安眠を誘う
- 寝具の色: 寝室全体をリラックスできる色合い（ブルー、グリーン、ベージュ、グレーなど）でまとめると、安眠を助ける効果が期待できます。特に寝具カバーは、肌に触れる心地よさと視覚的な落ち着きが大切です。
- 配置の工夫: ベッドの上に大きな棚があったり、足元に大きな家具があったりすると、圧迫感を感じてリラックスしにくくなることがあります。寝室はできるだけシンプルに、視線が抜けるような配置を心がけると良いでしょう。
- 寝る前の環境: 寝る前にはスマホやテレビの強い光を避け、代わりに暖かみのある読書灯などでゆったり過ごす時間を取りましょう。
小さな変化から、心地よい朝晩を
ご紹介したアイデアは、どれも大掛かりなリフォームや模様替えが必要なものではありません。クッションカバーを一枚変えてみる、照明を一つ追加してみる、小物の色を揃えてみる、観葉植物を一つ置いてみる、といった手軽なことから始めることができます。
お部屋の小さな変化は、心に新鮮な刺激と心地よさをもたらしてくれます。空間心理の知恵を借りて、ご自身の、そして夫婦二人の心地よさを大切にした空間づくりを始めてみませんか。朝の目覚めが変わり、夜がより穏やかな時間になることで、日々の暮らしがさらに豊かなものになることでしょう。