空間心理で叶える「片付けやすい」心地よい部屋づくりの手軽なアイデア【孫が来る日も安心】
空間心理で叶える「片付けやすい」心地よい部屋づくりの手軽なアイデア【孫が来る日も安心】
お子様が独立され、ご夫婦お二人での暮らしは、以前とは違うゆったりとした時間がおありのことと思います。そんな中、お孫さんが遊びに来てくれる時間は、何よりの楽しみという方も多いのではないでしょうか。
ただ、孫さんが使うおもちゃが増えたり、リビングが遊び場になったりすると、「片付けが大変だな」「なんだかごちゃごちゃしてしまうな」と感じることもあるかもしれません。大掛かりな模様替えはしたくないけれど、もっと気持ちよく過ごせる空間にできたら、とお考えの方もいらっしゃるかと思います。
実は、部屋の「配置」や「色」は、私たちの心や行動に影響を与えています。これは空間心理学という考え方に基づくものですが、難しい専門知識は必要ありません。いつもの部屋に少し工夫を加えるだけで、片付けが楽になり、お孫さんも大人も心地よく過ごせる空間を作ることができるのです。
この記事では、空間心理の視点から、手軽な色や配置の工夫で、片付けやすく、そして家族みんなが心地よく過ごせる部屋にするヒントをご紹介いたします。
部屋の「配置」が片付けやすさに与える影響
空間心理では、家具の配置などが私たちの動線や行動パターンに無意識のうちに影響すると考えられています。片付けやすい部屋にするためには、まず「どこで遊ぶか」「どこに片付けるか」を明確にする配置の工夫が有効です。
例えば、リビングにお孫さんの遊び場所を作る場合、空間心理の観点からは、部屋全体に遊び道具が散らばりにくくするための工夫が考えられます。
手軽な配置の工夫例:遊びのエリアをゆるやかに区切る
- ラグやマットを活用する: リビングの一角に小さめのラグやプレイマットを敷くことで、「ここがお孫さんの遊び場」という境界線が視覚的に生まれます。この境界線があることで、遊びのエリアが限定され、おもちゃが部屋中に広がるのを自然と防ぎやすくなります。また、ラグの色を周りの家具の色と少し変えるだけでも、エリア分けの効果が出ます。
- 家具の配置でエリアを作る: ソファやローテーブルを少し動かして、リビングの一角に囲まれたようなスペースを作ることも効果的です。例えば、ソファを壁から少し離して配置し、その背後を遊びスペースにするなどです。完全に仕切るのではなく、視線が抜ける程度のゆるやかな区切りが、圧迫感なく心地よさを保つポイントです。
- 一時的な収納場所を近くに置く: 遊び終えたおもちゃをすぐにしまえるように、遊び場の近くに収納場所を確保します。例えば、遊び場から手が届く範囲に、蓋つきのバスケットやおもちゃ箱を配置するのです。これにより、「遊んだらここに戻す」という動線が自然になり、片付けへのハードルがぐっと下がります。空間心理では、スムーズな動線はストレス軽減に繋がると考えられています。
これらの配置の工夫は、大掛かりな模様替えを必要とせず、今ある家具やアイテムを少し動かすだけで試すことができます。
部屋の「色」が片付けやすさや心地よさに与える影響
色は私たちの気分や行動に直接的に影響を与えます。空間心理の観点から、色を上手に使うことで、片付けへの意欲を高めたり、散らかった状態でも心が乱されにくくしたりする効果が期待できます。
手軽な色の工夫例:収納アイテムや小物の色選び
- 収納アイテムの色を工夫する: 先ほど触れたおもちゃ箱やバスケットの色は、片付けやすさにも関係します。例えば、部屋全体のインテリアに馴染む落ち着いた色(ベージュ、グレー、アースカラーなど)を選ぶと、多少モノが入っていても視覚的なごちゃつきが軽減され、部屋全体がすっきりと見えやすくなります。一方で、お孫さんにとって「楽しい片付けの時間」にしたい場合は、おもちゃ箱だけを明るい色にしても良いかもしれません。ただし、あまりに色が多すぎると落ち着かなくなる可能性があるため、全体との調和を考えることが大切です。
- アクセントカラーを取り入れる: クッションやブランケット、小さめの花瓶など、手軽に取り替えられる小物にアクセントカラーを使うのも良い方法です。例えば、リビングの一角に置く一時的な片付け箱の近くに、目を引く色の小物を置くと、無意識のうちにそちらに視線が向き、片付け箱の存在を意識しやすくなる、といった心理的な効果も考えられます。
- 部屋全体の色のトーン: 部屋全体のベースとなる色(壁、床、大きな家具など)を落ち着いたトーンでまとめると、多少モノが散らばっていても視覚的なノイズが減り、心が穏やかでいられます。これは、色調が整っている空間では、無秩序な状態に対するストレスを感じにくいという空間心理の考え方に基づいています。クッションやカーテンなどのファブリックの色を変えるだけでも、部屋全体の印象を手軽に変えることができます。
これらの色の工夫も、新しい家具を買う必要はなく、手軽に試せるものばかりです。
手軽な工夫がもたらすポジティブな心の変化
ご紹介したような小さな配置や色の工夫は、単に部屋が片付きやすくなるだけでなく、私たちの心にも良い影響を与えてくれます。
- 片付けへのハードルが下がる: 「遊んだらここに戻すだけ」「この箱に入れるだけ」といった明確なルールが、無意識のうちに片付けの行動を促します。これにより、「片付けなければ」というストレスが軽減され、気持ちが楽になります。
- 心にゆとりが生まれる: 部屋がすっきりと整っていると感じられると、心にもゆとりが生まれます。来客があっても慌てにくくなり、お孫さんと過ごす時間をより心穏やかに楽しめるようになります。
- 安心感と心地よさ: 家族それぞれの行動に合わせた空間づくりは、みんなにとっての安心感と心地よさに繋がります。お孫さんは遊びに集中でき、大人もリラックスして見守ることができます。
まとめ
夫婦お二人での暮らしの中に、お孫さんを迎える楽しみ。そんな日常をより心地よくするために、空間心理の考え方を少しだけ取り入れてみませんか。
大掛かりな模様替えや難しい知識は必要ありません。今ある家具を少し動かしてみたり、収納に使うカゴやボックスの色を選んでみたり。ほんの小さな配置や色の工夫をするだけで、部屋が「片付けやすい」場所へと変わり、自然と心地よさが生まれます。
部屋が整うことは、心のゆとりにも繋がります。孫さんが遊びに来る日も、そして普段のご夫婦二人の時間も、穏やかな気持ちで過ごせる空間づくりを、ぜひ楽しみながら試してみてください。