空間心理で日常の小さな癒やしを。ふと立ち止まる窓辺や通路を心地よくする手軽な色と配置のヒント
ご自宅で過ごす時間の中で、ふと立ち止まる場所はありませんか。窓辺から外を眺めたり、廊下の飾りをふと見たり。そういった日常の小さな場所を心地よく整えることは、実は私たちの心に穏やかな変化をもたらすことがあります。
家族構成が変わり、ご夫婦お二人での生活になったり、お孫さんが遊びに来られるようになったり。ライフステージの変化とともに、家の中の使い方も変わってきます。大掛かりな模様替えは大変だと感じるかもしれません。でも、ほんの小さなスペースに少し工夫をするだけでも、毎日の心地よさはぐっと変わるものです。
この記事では、空間心理の考え方を取り入れながら、窓辺や通路といった「ふと立ち止まる場所」を心地よくする手軽な方法をご紹介します。配置や色の小さな工夫で、心に安らぎをもたらす空間を作ってみませんか。
空間心理って? 部屋が心に与える影響
空間心理とは、私たちが過ごす空間の配置や色、素材などが、心や行動に無意識のうちに影響を与えるという考え方です。例えば、広々とした空間では開放的に感じたり、暖色系の色に囲まれると温かい気持ちになったり。
私たちの脳は、視覚や触覚などを通して空間から様々な情報を受け取り、それが感情や気分に繋がっています。心地よい空間にいれば心穏やかに過ごせますが、 cluttered な場所や、なんとなく落ち着かない色合いの空間では、知らず知らずのうちにストレスを感じてしまうこともあります。
日常の小さな場所が心に安らぎをもたらす理由
家全体を一度に変えるのは難しくても、窓辺や通路の一角のような小さなスペースなら、比較的簡単に手を入れることができます。そして、こうした「ふと立ち止まる場所」は、意識しないながらも私たちは毎日の生活の中で何度も視線を向けたり、通り過ぎたりしています。
このような日常的な小さな場所に心地よさを加えることで、目に入るたびに心がホッとしたり、短い時間でも立ち止まってリラックスできたりと、日々の小さな癒やしに繋がるのです。大規模なリフォームや模様替えをしなくても、気軽に心の状態をポジティブに変える第一歩になり得ます。
【窓辺】光と景色を味方につける手軽な色と配置の工夫
窓辺は、外の光や景色を取り込む、家の中でも特別な場所です。この場所を心地よく整えることで、心に明るさや安らぎをもたらすことができます。
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配置の工夫:小さくても心落ち着く場所を
- 窓辺に小さな一人掛けの椅子やクッションを置くだけで、外を眺めながらホッと一息つけるスペースが生まれます。読書やお茶など、短い自分時間を過ごすのにぴったりです。
- 観葉植物を置くなら、窓からの光が適度に当たる場所に。植物の緑は心を落ち着かせる効果があると言われています。複数置く場合も、視界を遮りすぎず、窓の外の景色も楽しめる配置を意識しましょう。
- 物を置きすぎず、すっきりさせることも大切です。窓からの光が遮られず、部屋全体が明るく感じられます。
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色の工夫:光の色と組み合わせて
- カーテンの色を、光を通しやすい明るい色や、心を落ち着かせるグリーン系、ブルー系にしてみましょう。レースカーテンを柔らかな質感のものに変えるだけでも、窓辺の雰囲気は変わります。
- 窓辺に置くクッションやひざ掛けの色に、優しいペールトーンや自然を感じさせるアースカラー(ベージュ、テラコッタなど)を取り入れると、リラックス効果が高まります。
- お気に入りの絵や写真を飾るなら、フレームの色を窓辺の雰囲気に合わせて選んでみましょう。木製フレームなら温かみが、白や明るい色のフレームなら軽やかさが出ます。
【通路・廊下】通り過ぎる瞬間も心地よくする手軽な色と配置の工夫
通路や廊下は、家の中を移動する際に必ず通る場所ですが、つい殺風景になりがちです。ここを少し工夫することで、移動するたびに気分がリフレッシュされたり、心地よさを感じたりすることができます。
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配置の工夫:邪魔にならない小さな彩りを
- 壁に沿って、奥行きの浅い小さな飾り棚やコンソールテーブルを置いてみましょう。お気に入りの小物や季節の飾りを飾るスペースが生まれます。ただし、通路を狭めすぎないよう、通行の邪魔にならない配置を心がけてください。
- 壁に絵や写真を飾るのも良い方法です。目線の高さに飾ることで、通り過ぎる際に自然と視界に入り、心が和みます。
- 突き当りの壁に絵や飾りを置くと、視線が誘導され、空間に奥行きが感じられることがあります。
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色の工夫:気分転換になるアクセントを
- 通路の壁の一部に、アクセントクロスや剥がせる壁紙シートを貼ってみましょう。リビングとは違う色や柄を取り入れることで、通路を通るたびに気分が切り替わります。例えば、明るい色や、落ち着いたトーンの柄物などがおすすめです。
- 飾る小物に、気分を明るくするような色を取り入れるのも良いでしょう。小さな花瓶に季節の花を飾ったり、色鮮やかな小物を置いたり。
- 壁に飾る絵や写真の色合いも、通路の雰囲気を左右します。暖色系で温かみを出すか、寒色系でクールな印象にするか、お好みに合わせて選んでみてください。
小さな変化がもたらす、心へのポジティブな影響
窓辺や通路といった小さな場所に手軽な工夫を取り入れることは、私たちの心に以下のようなポジティブな変化をもたらす可能性があります。
- リラックス効果: 自然を感じさせる色や、ゆったりと視線を向けられる配置は、心を落ち着かせ、リラックス効果を高めます。
- 気分転換: 通路の突き当たりに飾られた絵や、窓辺の明るい色のクッションなど、視覚的な変化は、移動する際などに意識を切り替え、気分をリフレッシュさせてくれます。
- 日々の小さな喜び: お気に入りの小物や植物が飾られた空間は、見るたびに心が和み、日々の生活に小さな喜びを与えてくれます。これはセルフケアの一つとも言えるでしょう。
- 家への愛着: 手をかけた場所には自然と愛着が湧きます。家全体に対するポジティブな気持ちが育まれます。
まとめ
ご夫婦お二人の穏やかな時間や、お孫さんがいらした際の賑やかな時間。どんな過ごし方にも寄り添う空間は、手軽な工夫で作ることができます。
大掛かりな模様替えに抵抗があっても、窓辺や通路といった日常の小さな場所に、空間心理に基づいた色や配置の工夫を取り入れてみてください。お気に入りの色を少しプラスしたり、小物を置く場所を少し変えてみたり。
そうした小さな一歩が、ふと立ち止まる瞬間に心の安らぎをもたらし、毎日の生活をより心地よく、そして心穏やかに変えていくことでしょう。ぜひ、できるところから試してみていただけたら嬉しいです。