空間心理で心をリフレッシュ!手軽な色と配置で叶える「私だけの気分転換スペース」
日々の暮らしに、心地よい「ふっ」とした瞬間を
お子様が独立され、ご夫婦お二人での暮らしに少しずつ慣れてこられた頃かもしれません。賑やかだった頃とは違う、穏やかな時間が流れる中で、ふと「少し気分を変えたいな」「ホッと一息つける場所が欲しいな」と感じることはありませんか。
大規模な模様替えは大変そうだし、専門的な知識も難しそう…そう思われる方もいらっしゃるかもしれません。でも、ご安心ください。実は、ほんの少しの工夫で、お部屋に心地よい変化をもたらし、それがご自身の心の状態にも良い影響を与えてくれるのです。
この記事では、空間心理の考え方をヒントに、手軽な色と配置の工夫で、日々の心をリフレッシュできる「私だけの気分転換スペース」を作るアイデアをご紹介します。難しいことは何もありません。今あるものを少し動かしたり、小さなアイテムの色を変えてみたりするだけで、心地よい変化を感じていただけるはずです。
空間心理が教えてくれる、部屋と心のつながり
私たちの心は、知らず知らずのうちに身の回りの空間から影響を受けています。お部屋の色や物の配置といった視覚的な情報や、そこでどのように過ごすかという行動が、心地よさや安心感、あるいは落ち着かない気持ちにつながることが、空間心理の考え方でわかっています。
例えば、明るい色はお部屋を広く感じさせ、気分を前向きにする効果があると言われますし、落ち着いた色合いはリラックスを促します。また、家具の配置一つでも、部屋が広々と感じられたり、逆にこぢんまりとした安心感のある空間になったりします。
大がかりなリフォームや模様替えをしなくても、クッションの色を変えたり、お気に入りの小物を置く場所を変えたりするだけでも、お部屋の雰囲気は変わり、それに呼応するようにご自身の心持ちも変化していくことが期待できます。
手軽な「色」の力で気分をリフレッシュ
色がお部屋や心に与える影響は大きいものです。手軽に取り入れられる色の工夫をご紹介します。
- クッションやひざ掛けの色を変える リビングのソファに置くクッションやひざ掛けの色を変えるだけで、お部屋の印象は大きく変わります。 例えば、心を落ち着かせたい時は、青や緑といったアースカラーや寒色系を取り入れてみてください。ベランダの緑を眺める窓辺に、緑色のクッションを一つ置くだけでも、心が安らぐのを感じられるかもしれません。 少し気分を明るくしたい時は、暖色系の黄色やオレンジ、あるいはパステルカラーの小物を取り入れてみるのも良い方法です。小さな花瓶に明るい色の花を飾るのも効果的です。
- カーテンやラグの一部にアクセントカラーを 面積の大きなカーテンやラグの色を変えるのは大変ですが、例えばカーテンをまとめるタッセルを鮮やかな色に変えたり、小さなアクセントラグを敷いてみたりするのはいかがでしょうか。 寝室であれば、安眠を誘うブルーやベージュなど、落ち着いた色合いの寝具カバーやクッションを選ぶことで、心穏やかな眠りにつながることが期待できます。
- 小物や雑貨の色を意識する お気に入りのカップや読みかけの本を置くトレイ、写真立てなど、日常的に目にする小物の色を意識してみましょう。 特に、ご自身が「この場所で気分転換したい」と思うスペースに置く小物の色を、その時の気分に合わせて変えてみるのも楽しい工夫です。たとえば、窓辺に置く小さな鉢植えの鉢の色を、春は明るい色、秋は落ち着いた色にするなど、季節に合わせて変えてみるのも良いでしょう。
手軽な「配置」の工夫で心地よい空間を作る
物の配置を変えることも、お部屋の印象や使い勝手、そして心の状態に影響を与えます。
- 「私だけの小さなコーナー」を作る リビングの一角、窓辺、あるいは使われなくなったお子様の部屋の一部分など、ご自身だけがホッとできる小さなスペースを作ってみましょう。 窓辺に小さな椅子を置いて、外を眺めながらお茶を飲むための「窓辺カフェコーナー」はいかがでしょうか。この時、椅子を窓に対して少し斜めに配置すると、外の景色と部屋の中の両方を感じながら、よりリラックスできることがあります。 ご夫婦共有のリビングでも、ソファの横に小さなサイドテーブルを置いて、お気に入りの本や飲み物を置く「読書&リラックスコーナー」を作るのも良いでしょう。サイドテーブルの位置を少し変えるだけでも、そこが自分だけの特別な場所のように感じられることがあります。
- 視線の「抜け」を作る 家具の配置を少し変えて、お部屋の中に視線がスーッと通るような場所を作ると、空間が広く感じられ、心にもゆとりが生まれます。 例えば、背の高い家具を部屋の中央付近に置かず、壁際に寄せることで、部屋全体が見渡せるようになります。また、玄関からリビングに入った時に、視線の先に圧迫感のある家具がないように配置すると、帰宅した時にホッと安心できるかもしれません。
- 孫が来た時のスペース お孫さんが遊びに来られた時のために、リビングの一角にクッションやラグを敷いて、安全に遊べるスペースを確保されているご家庭も多いでしょう。 この時、遊ぶスペースの近くに、お孫さんの様子を見守りながらご自身も座れる椅子やソファを配置すると、安心して団らんの時間を過ごせます。また、おもちゃを置く場所を低い位置に決め、お孫さん自身が片付けやすいような配置にすることも、自立心を育むと同時に、リビング全体の片付けやすさにもつながります。
小さな変化がもたらす、心のポジティブな変化
ここでご紹介したような手軽な色や配置の工夫は、決して大げさなことではありません。でも、こうした小さな変化を積み重ねることが、日々の暮らしに心地よさや新鮮さをもたらし、ご自身の心に穏やかさや前向きな気持ちを引き出してくれます。
お気に入りの色を近くに置くことで心が安らいだり、居心地の良い配置の場所で過ごすことで気分がリフレッシュされたり。それは、空間心理に基づいた、ご自身への優しいセルフケアとも言えるかもしれません。
ご自身の心と向き合いながら、今日からできる小さな一歩を踏み出してみてください。きっと、お部屋が心地よくなるにつれて、心もふっと軽くなるのを感じていただけるはずです。