空間心理で叶える、孫も夫婦も心地よいリビング。手軽な色と配置で散らかりを防ぐヒント
空間心理で叶える、孫も夫婦も心地よいリビング。手軽な色と配置で散らかりを防ぐヒント
お子様が独立されて、ご夫婦お二人での生活が中心になった方もいらっしゃるかと思います。リビングは、そんなお二人にとって、一日の中で最も長い時間を過ごす大切な空間ですね。
一方で、お孫さんたちが遊びに来る日は、部屋が一気に賑やかになり、嬉しさとともに「片付けが大変」「いつもと違う雰囲気になってしまう」といった、ちょっとした戸惑いを感じることもあるかもしれません。
「夫婦二人でゆったり過ごしたい気持ちも、孫を迎える喜びも、どちらも大切にしたい」 「でも、大掛かりな模様替えは大変そうだし、できれば手軽にどうにかしたいな」
そうお考えの方へ、この記事では「空間心理」の考え方を使いながら、特別なリフォームなどは必要なく、今あるものや少しの工夫で、リビングを孫も夫婦も心地よく過ごせる空間にする手軽な色と配置のヒントをご紹介します。
空間心理とは? 部屋と心のリズム
空間心理とは、部屋の配置や色、明るさといった「空間」が、私たちの心や行動にどのような影響を与えるのかを探る考え方です。心地よい空間は、心に安心感や穏やかさをもたらし、自然とポジティブな気持ちにしてくれます。逆に、片付けにくい、落ち着かない空間では、心がざわついたり、疲れてしまったりすることもあります。
リビングを少し工夫するだけで、孫が来た時の「散らかり」への心配を減らし、その後のリセットも楽になることで、より穏やかな気持ちでお孫さんを迎え、また、いつものお二人の心地よい時間を取り戻すことができるのです。
手軽な配置の工夫で「散らかり」を心地よく乗り越える
大掛かりな模様替えではなく、家具の向きを少し変えたり、小さなスペースを設けたりするだけで、リビングの使い勝手はぐっと変わります。
1. 「遊びのエリア」を緩やかに決める配置
リビング全体がお孫さんの遊び場になると、どうしても広範囲が散らかりやすくなります。そこで、リビングの一角に「遊びのエリア」を緩やかに定める配置を考えてみましょう。
例えば、ソファの前ではなく、少し離れた場所に子供用の小さなマットやラグを敷いて、そこをお孫さんの「遊び場」にするのです。こうすることで、おもちゃが広がる範囲を限定しやすくなります。
- 工夫のポイント:
- 大きな家具(ソファやテーブルなど)を動かすのが難しければ、小さなラグやクッションでエリアを視覚的に区切るだけでも効果があります。
- テレビの前など、普段ご夫婦がくつろぐスペースとは少しずらした配置にすると、お互いの時間を大切にできます。
2. 一時置き場の「定位置」を作る
お孫さんが持ってきたおもちゃや絵本、脱いだ上着などを「一時的に置く場所」を決めておくと、片付けがとても楽になります。
リビングの隅や、棚の下のスペースなど、邪魔にならず、かつお孫さんやご自身がアクセスしやすい場所に、大きめのカゴやボックスを一つ置いてみましょう。ここを「孫グッズの一時置き場」とします。
- 工夫のポイント:
- カゴやボックスは、床に直置きせず、低い台の上に置くとホコリがたまりにくく、見た目もすっきりします。
- 使わない時は邪魔にならないよう、ソファの横や棚の隣などに置いておけるものが便利です。
3. 動線を意識して、ぶつかりにくい配置に
お孫さんが室内で動き回ることを想定し、家具と家具の間隔を少し広くとったり、通り道になりやすい場所に小さなものを置かないようにするだけでも、安心感が増します。
- 工夫のポイント:
- 特にお孫さんがよく通る場所(玄関からリビング、リビングからキッチンなど)は、可能な範囲で通路を確保しましょう。
- 角がある家具には、必要に応じてコーナーガードなどをつけるとさらに安心です。
手軽な色の工夫で「心地よさ」と「片付けやすさ」を両立する
色は私たちの気分に直接働きかけます。リビングの色合いを少し調整するだけで、散らかりが気になりにくくなったり、片付けへの意欲が自然と湧いたりすることがあります。
1. 散らかりが目立ちにくい色の選び方
明るすぎる色や、ワントーンすぎる空間は、小さな汚れや散らかりが目立ちやすい傾向があります。
- 工夫のポイント:
- ラグやクッション、ひざ掛けなどのファブリックに、少し柄が入ったものや、温かみのある中間色(ベージュ、グレー、ブラウン、落ち着いたグリーンなど)を取り入れてみましょう。これらは小さなゴミや埃が目立ちにくい色です。
- 壁の一部や大きな家具の色を変えるのは大変ですから、まずは小物から試してみてください。
2. 片付けを促す色の力
収納用品の色を工夫することで、「元に戻す」という行動がスムーズになることがあります。
- 工夫のポイント:
- 先ほど提案した「孫グッズの一時置き場」のカゴやボックスの色を、リビングの雰囲気に馴染みつつも、少しだけ目立つ色にしてみましょう。例えば、落ち着いた空間の中に、優しいオレンジやグリーンのカゴを置くことで、自然とそこに意識が向きやすくなります。
- または、置いておく場所の色(床や棚の色)と馴染む色にすることで、視覚的なノイズを減らし、すっきり見せる効果もあります。どちらがお好みに合うか試してみるのも良いでしょう。
3. リセットしやすい、落ち着く色を取り入れる
お孫さんが帰られた後、すぐにいつもの「夫婦二人の落ち着いたリビング」に戻したいですよね。心を落ち着かせ、リラックスさせてくれる色を意識的に取り入れることで、気分転換がしやすくなります。
- 工夫のポイント:
- ソファの周りに、ブルーやグリーンといった鎮静効果のある色のクッションやひざ掛けを置いてみましょう。これらの色は副交感神経に働きかけ、リラックスを促すと言われています。
- 間接照明の色を電球色(オレンジがかった温かい光)にするのも、穏やかな雰囲気を作り出す手軽な方法です。
小さな変化がもたらす心の変化
これらの手軽な工夫を取り入れることで、リビングは単に「孫が来ても大丈夫な部屋」になるだけでなく、ご自身の心にも良い変化をもたらします。
- 安心感の向上: 散らかりへの過度な心配が減ることで、より穏やかな気持ちでお孫さんとの時間や、ご夫婦の時間を楽しめます。
- 気持ちの切り替えやすさ: 一時置き場や落ち着く色の配置は、賑やかな時間から穏やかな時間へと、気持ちをスムーズに切り替える手助けになります。
- 穏やかなコミュニケーション: 心地よく整えられた空間は、ご夫婦間の穏やかな会話や、リラックスした時間を自然と増やしてくれるかもしれません。
まとめ
空間心理の考え方を参考に、リビングの配置や色に少しの工夫を加えるだけで、お孫さんが遊びに来る日も、ご夫婦お二人でゆったり過ごす日も、どちらも心地よく感じられる空間を作ることができます。
大掛かりなリフォームや模様替えは必要ありません。まずは、クッションの色を変えてみたり、おもちゃの一時置き場を決めてカゴを置いてみたり、できることから始めてみましょう。
小さな変化が、きっとあなたの心に大きな心地よさをもたらしてくれるはずです。どうぞ楽しみながら、あなたらしい心地よいリビング空間を育んでくださいね。