子供が独立した部屋。空間心理で叶える思い出の品の心地よい配置と色の工夫
子供が巣立った後の部屋や、家にある思い出の品。心地よく整えてみませんか
お子様が独立され、お家の中の景色が少し変わったという方もいらっしゃるかもしれません。空いた部屋を前にしたり、ふと目に入ったお子様の思い出の品を見たりして、これまでの日々を振り返ることもあるのではないでしょうか。
ちょっぴり寂しさを感じる時もあれば、これからの夫婦お二人での暮らしについて考えを巡らせる時もあるかもしれませんね。
家は、そこに住む人の心を映し出す鏡のようなものです。お部屋の様子が少し変わるだけで、私たちの心も自然と影響を受けます。特に、たくさんの思い出が詰まった品々は、心に深く結びついています。
この記事では、空間心理の考え方を取り入れながら、お子様が独立された後の部屋や、家にある思い出の品と心地よく向き合い、配置や色を少し工夫することで、これからの暮らしをより豊かにするためのヒントをご紹介します。大掛かりな模様替えではなく、手軽に始められるアイデアを中心にお話ししますので、どうぞお気軽に読み進めてみてください。
空間心理から見る「思い出の品」と心の関係
空間心理では、身の回りの物やその配置、色が私たちの感情や行動に影響を与えると考えます。思い出の品は、単なる物ではなく、特定の時間や出来事、そしてそれに関わる人との感情が宿っています。
これらの品を見ることで、楽しかった記憶が蘇り、心が温かくなることもあれば、過去への愛着や、少しの感傷に浸ることもあるでしょう。思い出の品との向き合い方や、どのように家に置くかを変えることは、過去を大切にしつつ、今の自分とこれからの時間を心地よく過ごすための大切なステップになり得ます。
手軽に試せる!思い出の品と空いた部屋の心地よい空間づくり
お子様が独立された後、以前使っていたお部屋をどうするか、家にある思い出の品をどう整理するかは、多くの方が考えることだと思います。すべてをすぐに片付けるのは大変ですし、無理をする必要はありません。まずは、今の気持ちに寄り添いながら、手軽なことから始めてみましょう。
アイデア1:空いた部屋を「これからのための心地よい場所」に
お子様が使っていたお部屋を、すぐに全く別の部屋にするのは難しいかもしれません。ですが、少しだけ手を加えることで、これからの夫婦お二人の暮らしに寄り添う、新しい「心地よい場所」に変えていくことができます。
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配置の工夫
- 中心を空けて「ゆったり感」を: 部屋の中央に何も置かないスペースを作るだけでも、空間が広く感じられ、心が解放されるようなゆったりとした気持ちになれます。
- 思い出の品は「安らぎのコーナー」に: 思い出の品の一部は、部屋の隅や壁際にある棚の上など、落ち着いた場所にまとめて配置してみましょう。そこを「思い出を静かに振り返るための安らぎのコーナー」として意識すると、心が穏やかになります。
- 新しい用途に合わせた配置: もし、この部屋をこれから趣味の部屋として使いたい、孫が来た時の遊び場にしたい、といった新しい考えがあれば、それに合わせて最低限の家具(小さなテーブルや椅子、収納ボックスなど)を配置してみましょう。大切なのは、無理なく、今の生活にフィットさせることです。
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色の工夫
- 落ち着いたベースカラー: 部屋全体の雰囲気を、心が安らぐような落ち着いた色(例えば、ベージュ、淡いグリーン、ライトグレーなど)に少しずつ変えていくのも良いでしょう。壁紙を変えるのは大変でも、カーテンやラグ、クッションカバーの色を変えるだけでも印象は大きく変わります。
- 思い出の品を引き立てる色: 思い出の写真を飾る額縁の色を、部屋の雰囲気に合うものに変えてみたり、品物を置く棚に落ち着いた色の布(ファブリック)を敷いてみたりするのも手軽な方法です。色が統一されると、心も整頓されるような感覚が得られるかもしれません。
アイデア2:リビングなど共有スペースにある思い出の品との向き合い方
リビングや玄関など、ご家族みんなが使う共有スペースにも、お子様の成長や家族の思い出が詰まった品があるかもしれません。これらの品も、配置や色を少し見直すことで、空間全体の心地よさを高めることができます。
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配置の工夫
- 飾る場所の「意味」を変える: 目立つ場所に飾ってあった家族写真を、ソファに座ってゆっくり眺められるサイドボードの上に移すなど、飾る場所を「誰かに見せるため」から「自分が安らぐため」という視点で変えてみましょう。
- 「小さなギャラリー」を作る: バラバラに置いてあった思い出の品を、一つの棚や壁の一角にまとめて飾ることで、空間にまとまりが生まれ、視覚的なノイズが減ります。これは、心の中の整理にも繋がることがあります。
- 今の暮らしに馴染ませる: 他のインテリアとの調和を考えて、品物の数や大きさ、配置を調整してみましょう。すべてを飾る必要はありません。今一番飾りたい、見ていて心地よいと感じる品だけを選ぶことも大切です。
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色の工夫
- 周囲の色との調和: 思い出の品そのものの色を変えることはできませんが、品物を飾る場所の色や、周りに置く小物の色を工夫できます。例えば、古い木製の品物の周りに、暖かみのあるベージュやオレンジ色の小物を置くと、ぬくもりを感じる空間になります。
- 写真立てやフレームの色: 飾る写真のフレームの色を、リビング全体のテーマカラーに合わせたり、少し明るめの色にしてアクセントにしたり。手軽な変化ですが、見るたびに気分が変わるかもしれません。
- 背景の色をプラス: 小さな棚に品物を飾る場合、棚の背面に手軽に貼れるウォールステッカーや、色のついた厚紙などを貼ってみるのも面白いアイデアです。思い出の品が引き立ち、空間に奥行きが生まれます。
小さな変化が心にもたらすポジティブな影響
このように、空いた部屋の配置を少し変えたり、思い出の品の置き場所や周りの色を工夫したりすることは、単に部屋が片付くということだけではありません。
- 過去との心地よい区切り: 思い出の品と向き合い、その場所を整える過程で、過去を振り返りつつ、これからの生活へと自然に気持ちを切り替える手助けになります。
- 安心感と穏やかさ: 大切な思い出の品を心地よい場所に配置することで、過去からの繋がりを感じつつ、今の暮らしに安心感を得られます。
- 新しい自分時間の発見: 空いた部屋や空間を、夫婦お二人の時間やご自身の趣味、あるいは孫との時間に合わせた場所に変えることで、これからの生活がより楽しみになります。
- 夫婦間のコミュニケーション: 部屋の使い道や飾り方についてお二人で話し合うことは、お互いのこれからの希望を知る良い機会にもなります。
- 心の軽やかさ: 小さな変化でも、自分で空間を整えたという達成感は、心を前向きにしてくれます。
まとめ
お子様の独立は、ご家族にとって大きな変化の一つです。それは同時に、これからの夫婦お二人での生活や、孫との新しい関係性を育んでいくスタートでもあります。
空いたお部屋や家にある思い出の品との向き合い方、配置や色のちょっとした工夫は、大掛かりなリフォームをしなくても、家全体の雰囲気を変え、そして何より、あなたの心にポジティブな変化をもたらしてくれます。
完璧を目指す必要はありません。まずは、一番気になる場所から、心地よいと感じる色や配置を一つだけ試してみてはいかがでしょうか。
空間心理を活用した手軽な工夫で、思い出を大切にしながら、これからの暮らしがもっと心地よく、豊かなものになることを願っています。