部屋の模様替えで変わる私

空間心理で部屋の「流れ」を心地よく。手軽な配置と色で叶えるスムーズな毎日

Tags: 空間心理, 部屋づくり, 手軽な模様替え, 配置, 色

なんとなく感じる「部屋の使いにくさ」、それは「流れ」かもしれません

お子様が独立されて、ご夫婦お二人での生活が中心になると、これまでとはお部屋の使い方が変わってきますよね。 リビングで過ごす時間が増えたり、家事を一人で担うことが多くなったり、あるいはたまに遊びに来るお孫さんのためのスペースを考えたり。

そんな時、以前は気にならなかったちょっとした「通りにくさ」や「なんとなく落ち着かない視線」を感じることはありませんか。例えば、キッチンからダイニングへの移動がスムーズでなかったり、ソファに座っていると何かの視線が気になったり…。

実は、こうしたお部屋の中での「流れ」、つまり、人が動く時の通りやすさや、視線が自然に誘導される方向は、私たちの心の状態に深く関わっています。空間心理では、スムーズな流れは心に開放感や安心感をもたらし、滞りのある流れはストレスや閉塞感につながると考えられています。

この記事では、空間心理の視点から、お部屋の「配置」と「色」を少しだけ工夫することで、この「流れ」を心地よくする方法をご紹介します。大掛かりな模様替えではなく、今ある家具や小物で手軽にできるアイデアを中心にお話ししますので、ぜひお試しください。

空間心理から見る「心地よい流れ」とは

心地よい「流れ」とは、物理的な動線だけでなく、視線や気配といった目に見えないものも含みます。

例えば、

こうした流れがスムーズであると、私たちは無意識のうちに安心したり、リラックスしたりできます。逆に、家具が邪魔で通りにくかったり、視線の先に雑然としたものがあったりすると、心が落ち着かなかったり、イライラしやすくなったりすることがあります。

手軽な配置の工夫で「体の流れ」を心地よく

まずは、お部屋の中の「体の流れ」、つまり動線をスムーズにする配置の工夫です。

  1. 主な通路はゆったりと確保する リビングであれば、玄関からソファ、キッチン、ダイニングなど、よく通る場所への通り道を意識してみましょう。幅が狭くなっている場所があれば、家具を少しずらしたり、通路になりそうな場所には物を置かないようにするだけで、移動がぐっと楽になります。
    • 心の効果: 移動の際のちょっとしたつまずきやストレスが減り、無意識のイライラが軽減されます。家事などもスムーズに進みやすくなります。
  2. 家具の配置で自然な動きを促す ソファやテーブルの向きを少し変えるだけで、部屋の中での動き方が変わることがあります。例えば、ソファを壁につけすぎず、少し空間を作ることで、後ろを通れるようにするなど、いくつかのルートが生まれるように配置すると、部屋全体が広く感じられ、動きやすくなります。
    • 心の効果: 複数の選択肢があることで、心にゆとりが生まれます。また、部屋が広く感じられることは、開放感につながります。
  3. 玄関や廊下はスッキリと 家の第一印象を決める玄関からリビングまでの通路も大切です。通り道に置いてある物を見直すだけでも、スッと家の中に入れるようになります。
    • 心の効果: 帰宅時にスムーズに部屋に入れることで、ホッと安心できます。来客があった際も、気持ちよく迎えられます。

手軽な色の工夫で「視線の流れ」を心地よく

次に、お部屋の中の「視線の流れ」を心地よくするための色の工夫です。配置を変えるのが難しくても、色ならもっと手軽に試せることがたくさんあります。

  1. 視線の先に心地よい色を置く お部屋に入った時や、よく座る場所から自然と目に入る場所に、心が安らぐ色や好きな色の小物を置いてみましょう。クッション、ひざ掛け、小さな絵、花瓶などがおすすめです。例えば、リビングの通路の突き当たりに、明るい色の絵を飾ると、自然とそこに視線が誘導され、空間に奥行きを感じさせることができます。
    • 心の効果: 視線の先に心地よいものがあることで、ホッと一息つけたり、ポジティブな気持ちになったりできます。
  2. 空間のアクセントに「流れを促す色」を取り入れる 例えば、廊下の壁に一部だけ少し明るい色を取り入れたり、ステップの色を変えたりすることで、空間にリズムが生まれ、自然と先へ進みたくなるような流れを作ることができます。
    • 心の効果: 空間に変化が生まれることで、単調さが解消され、気分転換になります。
  3. 落ち着きたい場所には「留まる色」を ソファ周りや、窓辺の読書コーナーなど、ゆっくり過ごしたい場所には、ブラウンやグリーン、ベージュといった落ち着いたアースカラーのファブリック(クッションカバーやブランケットなど)を取り入れるのがおすすめです。これらの色は心を落ち着かせ、その場にゆったりと留まりたい気持ちにさせてくれます。
    • 心の効果: 心が穏やかになり、リラックス効果が高まります。

夫婦二人の暮らしと孫が来た時の応用

小さな変化が、毎日の大きな心地よさに

お部屋の「流れ」と聞くと、難しく感じるかもしれませんが、実は日々のちょっとした配置換えや、小物の色を変えることでも十分に効果を感じられます。

毎日何気なく通る場所、ふと目をやる場所を意識して、少しだけ工夫を加えてみてください。体がスムーズに動いたり、視線の先に心地よいものがあったりするだけで、不思議と心が軽やかになり、毎日の暮らしがより心地よく感じられるはずです。

まずは、ご自身が一番気になる場所から、手軽な一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。