空間心理で叶える、夫婦二人の心穏やかな書斎。手軽な色と配置の工夫
50代からの心地よい時間。自分だけの場所、どう整えますか?
お子様が独立され、ご夫婦二人の生活に変わられた方もいらっしゃるかもしれません。家族構成の変化とともに、お家の中にも以前とは違う空間の使い方や時間の流れが生まれていることと思います。
これまでは家族みんなの場所だったお部屋の一角が、少し手持ち無沙汰になったり、逆に「自分のための場所が欲しいな」と感じたりすることもあるのではないでしょうか。例えば、読書をしたり、趣味に没頭したり、静かに考え事をしたり。そんな、自分だけの心穏やかな時間を過ごすための「書斎」や「ワークスペース」に憧れる方もいらっしゃるかもしれません。
でも、新しく一部屋を改造したり、大がかりな模様替えをしたりするのは大変ですよね。専門的な知識も難しそうに感じられるかもしれません。ご安心ください。実は、少しの色や配置の工夫で、お部屋はぐっと心地よくなり、私たちの心にも良い変化をもたらしてくれるのです。
この記事では、空間心理の視点から、ご夫婦二人の暮らしに合わせた手軽な書斎・ワークスペースづくりのアイデアをご紹介します。特別なリフォームは必要ありません。身近なものを少し変えるだけで、心安らぐ自分だけの空間を手に入れるヒントを見つけていただけたら嬉しいです。
空間心理って? 部屋と心は繋がっています
私たちの住む空間は、ただの物理的な箱ではありません。色や形、配置といった一つ一つの要素が、知らず知らずのうちに私たちの心や感情に影響を与えていると考えられています。これが「空間心理」の基本的な考え方です。
例えば、賑やかな色合いの場所では気分が明るくなる一方で、落ち着いた色合いの場所ではリラックスできる、といった経験はどなたにもあるのではないでしょうか。また、窓の外が見える場所と壁に向かった場所では、感じる開放感や集中力が違ってきます。
このように、部屋のちょっとした「色」や「配置」を変えるだけで、私たちの気持ちや行動は自然と変化する可能性があるのです。この空間心理の知恵を、ご夫婦二人の新しい暮らし、そして「自分だけの時間」のための空間づくりに活かしてみましょう。
手軽にできる! 心地よい書斎・ワークスペースの色と配置の工夫
ここでは、大がかりな模様替えをしなくてもすぐに試せる、具体的なアイデアをいくつかご紹介します。リビングの一角や、使わなくなった子供部屋の一角などを想定しています。
1. 心を落ち着かせる「色」の取り入れ方
書斎やワークスペースは、集中したりリラックスしたり、目的に合わせて色の効果を取り入れるのがおすすめです。壁全体の色を変えるのは大変ですが、クッションや小物、タペストリーなどで手軽に試せます。
- 集中したい時に:青系の色
- 青は心を落ち着かせ、集中力を高めるといわれています。机の周りに置くペン立てやファイルボックスの色を青系にする、デスクマットに青を取り入れる、といった小さなことから始められます。
- リラックスしたい時に:緑系やアースカラー
- 緑は自然の色であり、リラックス効果や安心感をもたらします。観葉植物を置くのが最も手軽で効果的です。小さな鉢植えを一つ置くだけでも、目に優しい緑が心を和ませてくれます。また、ベージュや茶色といったアースカラーのクッションやひざ掛けを使うのも良い方法です。
- 気分転換に:好きな色の小物
- 必ずしも心理効果にとらわれず、ご自分が「好きだな」「見ていると元気になるな」と感じる色の小物を置くのも大切です。お気に入りの写真立てや雑貨などを飾るスペースを作るのも良いでしょう。
2. 集中できる・リラックスできる「配置」のヒント
机や椅子、本棚などの配置も、その空間での過ごしやすさや心の状態に影響します。
- 机の向きを考える
- 壁に向かう配置: 視界に入る情報が少なくなり、目の前の作業に集中しやすくなります。締め切りがある作業や、じっくり考えたい時に向いています。
- 窓に向かう配置: 自然光を感じながら作業ができます。休憩中に窓の外を眺めると気分転換になりますが、景色に気を取られやすいこともあります。
- 壁を背にする配置: 後ろに壁があることで、安心感を得やすい配置です。部屋全体を見渡せる位置にすると、状況を把握しやすく落ち着いて作業できます。
- リラックスコーナーを作る
- 書斎スペースに、読書用の快適な椅子や小さなソファを置く場所があれば、作業の合間に休憩したり、気分を変えたりするのに役立ちます。心地よいクッションやひざ掛けを用意し、リラックスできる色合いで整えましょう。
- 視界に入るものを工夫する
- 机から顔を上げた時に何が見えるかで、気分は変わります。好きな絵や写真を飾る、心が安らぐような風景のタペストリーを飾るなど、視界に「心地よいもの」を取り入れる工夫をします。
- 逆に、目に入ると気が散るものは、引き出しにしまうか、視界に入りにくい場所に移動させます。
3. 子供部屋だった場所の活用アイデア
お子様が使っていたお部屋を書斎スペースにする場合、既存の家具や収納を活用すると手軽です。
- 机の向きを変える: 以前使っていた机の向きを、上記を参考に変えてみるだけでも新鮮な気持ちで使えます。
- 収納の見直し: 子供向けだった収納を、ご自身の書籍や書類、趣味の道具に合わせて配置換えしたり、中身を整理したりします。使いやすい場所に、集中力を妨げない色(落ち着いた色合いのファイルボックスなど)の収納用品を取り入れると良いでしょう。
- 壁面を活用: 元々あった棚などを利用し、好きなものや心が安らぐものを飾るスペースを作ります。
小さな一歩で、心穏やかな時間を
ご紹介したアイデアは、どれも比較的手軽に始められるものばかりです。いきなり全てを変えようとせず、まずはクッションの色を変えてみる、机の上の小物を好きな色に変えてみる、といった小さな一歩から試してみてはいかがでしょうか。
ご夫婦二人の新しい暮らしの中で、自分だけの心穏やかな時間を持つことは、日々の生活に潤いと活力をもたらしてくれます。空間心理を活用して、居心地の良い書斎やワークスペースを手に入れ、読書をしたり、趣味に打ち込んだり、静かに考え事をしたりと、充実した時間をお過ごしください。心地よい空間は、きっとあなたの心にも穏やかな変化をもたらしてくれるはずです。