部屋の模様替えで変わる私

空間心理で心地よい玄関に。迎える・見送るが気持ちよくなる手軽な色と配置の工夫

Tags: 空間心理, 玄関, インテリア, 色, 配置, 片付け, 心地よい暮らし

空間心理で心地よい玄関に。迎える・見送るが気持ちよくなる手軽な色と配置の工夫

お子様の独立など、家族構成の変化によって、ご自宅での過ごし方や空間の使い方も変わってこられたことと思います。夫婦お二人での時間が増えたり、お孫さんが遊びに来る機会が増えたりと、ライフステージに合わせた心地よい空間づくりに関心をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

家の中で、毎日必ず通る場所。それは玄関ですね。玄関は、家に入る時、家から出る時に必ず使うだけでなく、お客様をお迎えする「家の顔」でもあります。この玄関の空間が心地よいかどうかは、その家の印象だけでなく、住む人の心にも大きな影響を与えると言われています。

「空間心理」という考え方では、部屋の配置や色が私たちの心に無意識のうちに働きかけ、気分や感情を左右すると考えられています。大掛かりなリフォームや模様替えは大変…と感じる方でも、手軽にできる玄関の「色」と「配置」の工夫で、毎日の「いってきます」「ただいま」や、お客様を迎える時間がもっと気持ちよくなるかもしれません。

この記事では、空間心理の考え方を踏まえながら、50代後半からの暮らしに寄り添う、手軽で無理なくできる玄関の空間づくりアイデアをご紹介します。

玄関が心に与える影響とは?空間心理の考え方

玄関は、家と外の世界をつなぐ境界です。ここがスッキリと整っていると、外から帰ってきた時にホッと一息つけたり、「さあ、今日も一日頑張ろう」と気持ちよく外出できたりします。逆に、物が散らかっていたり、暗い雰囲気だったりすると、家に入るなり気が滅入ってしまったり、急いで外に出たくなったりすることもあるかもしれません。

空間心理では、玄関は「気」の入り口とも考えられています。良い気が入ってきやすい、心地よい空間にしておくことが、家全体の雰囲気や住む人の心の状態を整えることにつながると言われています。

手軽に試せる玄関の「配置」の工夫

大掛かりな家具の移動は難しくても、ちょっとした物の配置を変えるだけで、玄関の印象は大きく変わります。

1. たたきには物を置きすぎない

靴や傘、荷物がたたきに出しっぱなしになっていると、見た目がゴチャゴチャするだけでなく、気の流れが滞るとも考えられます。必要最低限のものだけを出すように心がけ、使わない靴は下駄箱にしまうだけでも、玄関がスッキリとして心地よい空間になります。

2. 鏡の配置に気を配る

玄関に鏡があると、お出かけ前の身だしなみチェックに便利ですね。鏡は空間を広く見せる効果もあります。ただし、空間心理では、玄関の扉を開けて真正面に大きな鏡があるのは避けた方が良いと言われることがあります。入ってきた良い気を跳ね返してしまう可能性があるという考え方もあるためです。もし新しく鏡を置くなら、扉を開けて左右どちらかの壁に配置するのがおすすめです。

3. 座る場所を考えてみる

靴を履く時、脱ぐ時にちょっと座れる場所があると、とても楽ですね。小さなスツールやベンチを置くスペースがあれば、取り入れてみてはいかがでしょうか。焦らず落ち着いて準備ができることで、心にもゆとりが生まれます。お孫さんが来た時にも役立つでしょう。

4. 観葉植物を置く

場所に余裕があれば、小さな観葉植物を置くのもおすすめです。緑は見る人に安らぎを与え、空間に生気をもたらします。置く場所がない場合は、小さな鉢植えや、切り花を飾るだけでも心が和みます。

心地よさを演出する玄関の「色」の工夫

壁の色を変えるのは大変でも、玄関マットやスリッパ、傘立てなどの小物で色を取り入れるのは手軽にできますね。

1. 玄関マットの色

玄関マットは、外から持ち込むホコリや汚れをキャッチするだけでなく、空間のアクセントにもなります。心が落ち着くベージュやブラウン系、明るく迎えるオフホワイトやパステルカラーなど、心地よいと感じる色を選んでみましょう。汚れが目立ちにくい色を選ぶのも実用的です。

2. スリッパや小物の色

出しっぱなしになりがちなスリッパや、傘立て、鍵置き場などの色を工夫するのも良い方法です。全体の雰囲気に合った色で揃えたり、あえて明るい色を差し色として取り入れたりすることで、玄関の印象が変わります。例えば、木製のアイテムは温かみを、グリーンの小物は爽やかさを加えてくれます。

3. 壁の一部に色を取り入れる

もしもう少し変化をつけたい場合は、壁の一部にアクセントクロスを貼ったり、小さなスペースにペイントを施したりする方法もあります。最近では、賃貸でも使える貼って剥がせるタイプのものも豊富にあります。落ち着いたグレーや、優しいグリーン系などは、リラックス効果が期待できます。

4. 照明の色と明るさ

玄関の照明は、明るさだけでなく、光の色も重要です。蛍光灯のような青白い光よりも、電球色のような温かみのある光の方が、家に入った時の安心感やリラックス効果が高まります。間接照明などをプラスして、影を減らし、奥行きを感じさせるようにするのもおすすめです。

手軽な工夫がもたらす心のポジティブな変化

これらの手軽な「配置」や「色」の工夫は、玄関という空間を整えるだけでなく、あなたの心にも良い影響を与えてくれます。

どれも、大掛かりなことではなく、ちょっとした意識や物の移動、小物の追加などで実現できることばかりです。

まとめ

玄関は、私たちが毎日通る場所であり、家全体の印象を決める大切な空間です。空間心理の考え方を参考に、手軽な「配置」や「色」の工夫を取り入れることで、玄関はもっと心地よい、心が安らぐ場所になります。

たたきをスッキリさせる、鏡の場所を考える、座る場所を設ける、緑を飾る。そして、心地よい色のマットや小物を取り入れたり、温かい照明を選んだりする。これらの小さな変化から、毎日の外出と帰宅、そして大切なご家族やお客様を迎える時間が、きっとより気持ちの良いものになるはずです。

無理なく、できることから一つずつ試してみてはいかがでしょうか。心地よい玄関空間が、あなたの心に穏やかでポジティブな変化をもたらしてくれることでしょう。