なんだか一日がだらける?空間心理で叶える心地よい日中の過ごし方。手軽な色と配置の工夫
変化した日中の過ごし方、なんだか「だらける」と感じていませんか?
お子様が独立され、ご夫婦二人の暮らしが中心になると、家で過ごす日中の時間も以前とは変わってきますね。家事の合間や、ちょっとした休憩時間、あるいは趣味や作業に集中したい時など、過ごし方も多様になったことと思います。
そんな時、「なんだか一日がだらけてしまう」「やる気が出ないな」と感じることはありませんか?もしかしたら、それはお部屋の環境が関係しているかもしれません。
私たちの心と体は、実は身の回りにある「空間」から無意識に影響を受けています。色や配置といった小さなことでも、心地よさややる気を引き出すきっかけになることがあります。
この記事では、空間心理の考え方をヒントに、ご夫婦二人の日中をもっと心地よくするための、手軽で実践しやすい「色」と「配置」の工夫をご紹介します。大がかりな模様替えは不要です。クッション一つ、小物の場所一つで変わる心地よさを、ぜひ感じてみてください。
空間心理って?私たちの心と部屋の関係
空間心理とは、部屋の広さや形、色、配置などが、そこにいる人の心や行動にどのような影響を与えるかを考える学問です。少し難しい言葉ですが、要は「居心地の良い部屋にいるとホッとする」「散らかった部屋だと落ち着かない」といった、私たちが普段感じている感覚を深掘りした考え方と言えます。
例えば、色にはそれぞれ心に働きかける効果があることが知られています。暖色系(赤やオレンジ)は活動的な気持ちを促し、寒色系(青や緑)は落ち着きや集中力を高めると言われています。また、家具の配置によって、部屋の広さの感じ方が変わったり、安心して過ごせる場所ができたりします。
この空間心理の考え方を、日中の暮らしに取り入れてみましょう。
日中の心地よさを変える!手軽な「色」の工夫
日中の過ごし方によって、取り入れたい色のヒントは変わってきます。
- 「やる気が出ないな」と感じるときに
少し気分を明るくしたい、活動的に過ごしたい時間には、視界に「明るい色」や「暖色系」を取り入れてみましょう。ただし、鮮やかすぎる色は目が疲れてしまうこともあります。
- 具体的なアイデア:
- リビングで過ごす時間が多いなら、ソファに置くクッションカバーの色を、優しいイエローやオレンジ系のものに変えてみる。
- 簡単な作業をする場所(ダイニングテーブルの一角など)に、お気に入りのマグカップやペン立ての色を明るいものにする。
- カーテンの一部やタッセルを、少し暖かみのある色に変えてみる。
- 具体的なアイデア:
これらの色は、見ているだけで心に軽い刺激を与え、だらけがちな気分に変化をもたらすと言われています。
- 「集中したい」「落ち着いて過ごしたい」ときに
読書や趣味、書類整理など、落ち着いて集中したい時間には、「緑」や「青」といった寒色系や、ベージュ、ブラウンといった「アースカラー」がおすすめです。これらの色は心を落ち着かせ、集中を助ける効果があると言われています。
- 具体的なアイデア:
- よく座る椅子に、緑や青系のブランケットをかけておく。
- 本を読むスペースの近くに、緑の観葉植物を置いてみる(植物の緑はリラックス効果も高いです)。
- 作業する机の上に、落ち着いた色合いの小さなマットや小物を置く。
- 具体的なアイデア:
このように、過ごしたい気分に合わせて身の回りの「色」を意識的に変えてみることで、日中の時間がより快適になる可能性があります。
日中の心地よさを変える!手軽な「配置」の工夫
家具の配置を変えるのは大変そう...と思われるかもしれませんが、まずは小さなものから試してみましょう。視線の動きや、どこに何があるかで、日中の過ごしやすさは大きく変わります。
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「だらけ」から「活動」へ切り替えるために リビングの中で、座って過ごす「リラックスコーナー」と、少し作業や読書をする「活動コーナー」のイメージを分けてみましょう。
- 具体的なアイデア:
- ソファの近くに、簡単な作業ができる小さめのテーブルやスツールを置いてみる。ここで書類整理や書き物をすると、「だらける」時間とは少し違う気分で取り組めるかもしれません。
- 窓辺に小さな椅子を一つ置いてみる。日差しを浴びながら本を読んだり、お茶を飲んだりすることで、気分転換になります。視線の先に心地よい景色が見えるように工夫すると、さらに効果的です。
- 日中よく使うもの(リモコン、眼鏡、読みかけの本など)の「定位置」を決める。物が散らかっていると視覚的な情報が多くなり、心が落ち着きにくく「だらけ」に繋がりやすいと言われます。使ったら元の場所に戻す習慣をつけるだけでも、部屋の印象が変わります。
- 具体的なアイデア:
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夫婦それぞれの時間を心地よく 同じリビング空間でも、夫婦それぞれが心地よく過ごせるように、少しだけ視線を遮る工夫をするのもおすすめです。
- 具体的なアイデア:
- それぞれの「お気に入りの場所」に、フロアスタンドや観葉植物を置いて、ゆるやかに空間を区切る。完全に仕切らなくても、ちょっとした視線の「区切り」があるだけで、自分の時間に集中しやすくなります。
- ソファを壁付けにせず、少し部屋の中央に配置し、後ろにコンソールテーブルなどを置く。これだけで、ソファの背後が「通路」や「別の空間」のような雰囲気になり、ソファに座った時の安心感が増すことがあります。
- 具体的なアイデア:
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孫が遊びに来た時も考えて 普段は夫婦二人で心地よく使い、孫が来た時にはすぐにスペースを確保できるような配置も考えてみましょう。
- 具体的なアイデア:
- 折りたたみ式の小さなテーブルや、軽量で移動しやすいスツールなどを活用する。普段は窓辺や壁際に置いておき、孫が来たら移動して遊び場にする、といった使い分けができます。
- 孫のおもちゃや絵本などを入れる収納ボックスを、普段は目立たない場所に置いておく。使う時だけ出しやすいように配置しておくと便利です。
- 具体的なアイデア:
配置の工夫は、物の定位置を決めることからでも始められます。一つずつ、ご自身の暮らしに合った方法を試してみてください。
小さな変化から、心地よい日中を
「なんだかだらける」と感じる日中時間を、空間心理のヒントを借りて心地よく変えるアイデアをご紹介しました。
色や配置を変えることは、心に新しい刺激を与え、気分転換に繋がります。大がかりなリフォームや模様替えをしなくても、クッションの色を変えたり、小さな家具の場所を動かしたりするだけで、部屋の雰囲気は驚くほど変わることがあります。
空間心理は、難しいものではありません。ご自身の心が「心地よいな」と感じる場所を大切にすることが一番のヒントです。ご紹介したアイデアを参考に、ぜひご自宅で試していただき、ご夫婦二人の日中時間がより豊かで、心地よいものになることを願っています。