空間心理で叶える、ふとした隙間時間をもっと心地よく。手軽な場所の色と配置のヒント
変化した暮らしの中で見つける、自分だけの心地よい時間
お子様が独立され、ご夫婦お二人での暮らしが中心になった方もいらっしゃるかもしれません。時間にも少しゆとりが生まれ、「さて、これから何をしようかしら」とお考えになることもあるのではないでしょうか。
日々の中には、例えばお茶を一杯淹れる間、少し本を開く時、窓の外をぼんやり眺める数分間など、ふとした「隙間時間」があります。こうした短い時間も、心地よく過ごせたら、毎日はもっと豊かになるように感じます。
この記事では、空間心理の考え方を活かして、大がかりな模様替えをしなくても、手軽な「色」と「配置」の工夫で、いつものお部屋の中に心地よい隙間時間スポットを作るヒントをご紹介します。
空間心理の考え方:色と配置が心に影響する理由
私たちは、部屋の色や家具の配置から、無意識のうちに様々な影響を受けています。例えば、暖色系の色は気持ちを温かく穏やかにする傾向があり、寒色系の色は落ち着きや集中を促すと言われています。また、物の配置によって、部屋が広く感じられたり、安心できる隠れ家のように感じられたりします。
空間心理では、こうした環境と心の関係性を理解し、意図的に空間を整えることで、心の状態をより良くしようと考えます。これからご紹介する手軽な工夫も、この空間心理の考え方に基づいています。
ふとした隙間時間を心地よくする手軽な色と配置の工夫
特別な部屋を用意する必要はありません。今お使いのお部屋の、ちょっとした一角を活用するだけで、心地よい隙間時間スポットは作れます。
1. リビングの窓辺や一角に「私の場所」を作る
リビングは家族が集まる場所ですが、少し視点を変えるだけで、自分だけの心地よい場所が生まれます。
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配置のヒント:
- 窓辺に小さな椅子やクッションを置くだけで、外の景色を眺めながらリラックスできる読書スペースになります。
- 壁際に、小さなテーブルと椅子を一つ置く。壁を背にすることで、ほどよい囲まれ感が安心感を与えてくれます。
- ソファの隣に、一人掛けソファや大きめのクッションを置いて、自分専用の読書コーナーにするのも良いでしょう。
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色のヒント:
- 落ち着いた時間には、ベージュやオフホワイト、薄いグリーンなどのアースカラーのクッションや膝掛けを取り入れてみましょう。これらの色は心を穏やかにし、リラックス効果があると言われています。
- 少し気分転換したい時は、オレンジやイエロー系の明るい色の小物をマグカップや小さな花瓶などでプラスすると、気持ちが前向きになるかもしれません。
- もし壁が見える場所なら、お気に入りの柄や落ち着いた色合いの布やタペストリーを飾るのも良い方法です。
2. ダイニングテーブルの一角を「書き物・考え事コーナー」に
食事の準備や片付けが終わった後のダイニングテーブルも、手軽な隙間時間スポットになります。
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配置のヒント:
- テーブルの隅を「私のコーナー」として、常にきれいにしておく習慣をつけると良いでしょう。
- すぐに使えるように、お気に入りのペンやノート、手帳などを小さなカゴに入れて置いておくと、いつでもスムーズに自分の時間に入れます。
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色のヒント:
- 集中したい短い時間には、ブルー系のペン立てやノートカバーなどを置くと、思考を整理する助けになると言われています。
- テーブルクロスやランチョンマットの一部に、自分の気持ちが明るくなる色を取り入れるのも手軽な方法です。
3. 寝室の静かな隅を「落ち着きスポット」に
寝室は本来リラックスする場所ですが、就寝前とは違う、「日中の静かな隙間時間」を過ごす場所としても活用できます。
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配置のヒント:
- ベッドサイド以外の、部屋の隅に小さな椅子やオットマンを置く。
- アロマディフューザーや、小さく優しい灯りのスタンドライトを一緒に置くと、よりリラックスできる空間になります。
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色のヒント:
- 寝室全体の色合いと合わせて、グレーやネイビー、ラベンダー色などの落ち着いた色のクッションやブランケットを置くと、心地よさが増します。
- 壁に飾る絵や写真も、穏やかな風景や抽象画など、心落ち着く色合いのものを選ぶと良いでしょう。
小さな工夫が心にもたらすポジティブな変化
このように、部屋のほんの一角に色や配置で少し手を加えるだけで、以下のような心の変化を感じられるかもしれません。
- 安心感と落ち着き: 「自分だけの場所」があるという感覚は、日々の暮らしに安心感をもたらします。
- 気分転換とリフレッシュ: いつもの場所と少し違う「特別な場所」で過ごすことで、気持ちが切り替わり、リフレッシュできます。
- 思考の整理: 静かで心地よい空間は、考え事をしたり、日記をつけたりするのに適しています。
- メリハリのある毎日: 忙しい家事や用事の合間に、意識的に心地よい時間を持つことで、一日にメリハリが生まれます。
大掛かりな模様替えや、新しい家具をたくさん購入する必要はありません。今お持ちのクッションの色を変えてみたり、お気に入りの小物を集めて小さなコーナーを作ってみたり、そんな手軽な一歩から始めてみてはいかがでしょうか。
まとめ
お子様の独立やライフスタイルの変化は、ご自身の暮らしを見つめ直す良い機会でもあります。空間心理の知恵を借りて、部屋の「色」と「配置」に少し工夫を加えるだけで、ふとした隙間時間をもっと心地よく、心穏やかに過ごす場所を作ることができます。
ご紹介したアイデアは、どれもすぐに試せるものばかりです。クッション一つ、小物一つからでも大丈夫。あなただけ、あるいはご夫婦二人だけの心地よい空間を、ぜひ手軽に作ってみてください。小さな変化が、きっとあなたの心に穏やかなゆとりをもたらしてくれるはずです。