空間心理で叶える、家族の思い出の心地よい飾り方。手軽な色と配置の工夫
家族の思い出の品、どうしたら心地よく飾れるかしら？
お子様が独立されて、夫婦二人の暮らしが中心になったという方もいらっしゃるかもしれません。家の中を見回すと、お子様が小さかった頃の写真、旅行先で見つけた記念品、手作りの小物など、たくさんの家族の思い出の品があるのではないでしょうか。
これらの品々は、過ぎ去った日々を思い起こさせ、私たちに温かい気持ちを与えてくれます。でも、時には「なんとなく雑然としている」「どう飾れば素敵に見えるのかしら」と感じることもあるかもしれません。
大規模な模様替えは大変だと感じる方も、ご安心ください。実は、ほんの少しの「色」と「配置」の工夫で、思い出の品がより輝き、飾られた空間がぐっと心地よくなるのです。そして、心地よい空間は、私たちの心にも良い影響を与えてくれます。
この記事では、空間心理の考え方をヒントに、家族の思い出の品を心地よく飾るための手軽なアイデアをご紹介します。
空間心理から見る「思い出の品」と「心地よさ」
空間心理では、部屋の配置や色が私たちの心理状態に影響を与えると考えます。これは、家具や壁の色だけでなく、日常の中にある小さなもの、例えば「思い出の品」にも当てはまります。
思い出の品は、単なるモノではなく、それにまつわる「ストーリー」や「感情」を持っています。心地よく飾られた思い出の品は、そのポジティブな感情を空間に広げ、私たちが見るたびに温かい気持ちを呼び起こしてくれます。逆に、しまいこんだままだったり、雑然と置かれていると、心の片隅に引っかかりを感じることもあるかもしれません。
手軽な工夫で、思い出の品が持つ温かさを最大限に引き出し、見るたびに心が安らぐような空間を作ってみましょう。
手軽なアイデア１：配置の工夫で「思い出」に光を当てる
思い出の品を心地よく飾るための最初のステップは、「どこに」「どのように」置くか、つまり配置の工夫です。
- 普段よく目にする場所に: リビングの棚、玄関の小さな台、寝室のサイドテーブル、廊下の壁など、ご自身がよく通ったり、ふと目線を向けたりする場所に飾ってみましょう。無理に人に見せるためではなく、ご自身が心地よく思い出に浸れる場所を選ぶのがポイントです。ただし、あまりに視界に入りすぎると圧迫感になることもあるので、場所の広さや他の物とのバランスも大切にしてください。
- 「テーマ」を決めて集める: たくさんの思い出の品がある場合、すべてを一度に飾る必要はありません。「家族旅行の写真とそこで買ったお土産」「お子様の幼稚園時代の作品と写真」のように、関連のあるものをいくつかまとめて飾ると、ストーリーが生まれて見るのが楽しくなります。
- 「余白」を大切に: 棚やスペースいっぱいに思い出の品を詰め込むと、かえってごちゃごちゃした印象になり、せっかくの品が引き立ちません。少し余白を作ることで、一つ一つの品が呼吸するようになり、ゆったりとした心地よさを感じられます。飾りたいものの数を厳選したり、少し間隔を空けて配置したりしてみてください。
- 高さやグループでリズムを作る: 写真立て、小さな置物、少し高さのある花瓶など、大小様々なものを飾る場合は、高さを変えたり、2～3個の小さなグループに分けたりすると、見た目にリズムが生まれて楽しくなります。中心となるものを一つ決め、その周りに小さなものを配置するのも良い方法です。
手軽なアイデア２：色の工夫で「思い出」をより温かく
思い出の品自体の色を変えるわけにはいきませんが、周りの「色」を少し工夫することで、思い出の品がより魅力的に見え、空間全体の雰囲気も心地よくなります。
- 飾る台や棚の色: すでに置かれている家具の色を活かすのが基本ですが、もし小さな飾り棚をプラスする場合などは、お部屋の基調色に合わせた白、ベージュ、落ち着いたブラウンなどの色を選ぶと、空間に馴染みやすく安心感があります。木目調の棚も、温かみがあっておすすめです。
- 額縁や小物の色のトーンを揃える: 複数の写真や小さな絵を飾る場合、額縁の色を白、黒、木目調など、同じか似たトーンで揃えると、すっきりとして洗練された印象になります。もしカラフルな小物を飾りたい場合は、他の色を抑えめにするか、小さな範囲にまとめて飾ると良いでしょう。
- 背景の色を意識する: 飾る場所の壁の色は、思い出の品の見え方に大きく影響します。もし壁紙全体を変えるのが難しければ、飾るスペースの後ろに、品を引き立てる落ち着いた色の布（例えば、生成りやベージュのリネン、落ち着いたグレーのフェルトなど）を敷いたり、小さな壁掛けとして利用したりするのも手軽な方法です。温かみのある色やアースカラーは、思い出の品が持つ温かい雰囲気をさらに引き出してくれます。
- 優しい光を添える: 小さなスポットライトや、棚の上に置ける電池式のミニライトなどで、飾った思い出の品を優しく照らすと、特別な空間が生まれます。温かい色の光を選ぶと、心地よさが増します。
小さな工夫がもたらす心の変化
ご紹介したような手軽な配置や色の工夫は、私たちの心に様々なポジティブな変化をもたらすことが期待できます。
- 心の安らぎ: 心地よく飾られた思い出の品を見るたびに、楽しい出来事や愛する家族の顔を思い出し、安心感や温かい気持ちに包まれます。
- 自己肯定感: 過去の経験や家族との絆を改めて大切にすることで、自分自身の人生を肯定的に捉えることにつながります。
- 家族の絆の再確認: 夫婦で思い出話に花を咲かせたり、孫に昔の出来事を話したりするきっかけにもなります。空間が家族のコミュニケーションを育む場となるのです。
- 前向きな気持ち: 過去の温かい思い出を大切にしながら、夫婦二人での新しい暮らしや、これから作る家族の思い出に向けて、前向きな気持ちになれるでしょう。
まとめ
大規模な模様替えをしなくても、空間心理の知恵を借りて、家族の思い出の品を心地よく飾ることは十分に可能です。
- 飾りたい場所や品を厳選し、ゆったりと「余白」を意識しながら配置してみる。
- 飾るスペースの「色」を、落ち着いた温かいトーンで整えてみる。
こうした小さな一歩が、家の中の雰囲気を変え、あなたの心にも穏やかさや喜びをもたらしてくれるはずです。思い出を大切にすることで、今の暮らしがさらに豊かなものになりますように。ぜひ、ご自宅の思い出の品を見ながら、手軽な工夫を楽しんでみてください。