夫婦二人の家時間。空間心理で「それぞれの心地よさ」と「一緒に過ごす心地よさ」を手軽な色と配置で叶えるヒント
夫婦二人の時間が増えた今、空間を心地よく整えてみませんか？
お子様が独立され、ご夫婦お二人での時間が増えた方もいらっしゃるかもしれません。家で過ごす時間が増えると、「自分の時間も大切にしたいけれど、夫（または妻）と一緒に過ごす時間も心地よくしたいな」と感じることはありませんか。
大規模なリフォームや模様替えは大変そう…と思われる方もいらっしゃるかもしれません。でも、ご安心ください。空間心理の考え方を少し取り入れるだけで、お部屋の配置や色を少し工夫するだけで、それぞれの時間がもっと心地よく、そして一緒にいる時間も穏やかになる可能性があります。
この記事では、空間心理の視点から、手軽な工夫で「それぞれの心地よさ」と「一緒に過ごす心地よさ」を両立させるヒントをご紹介します。
空間心理の基本：部屋は心とつながっています
空間心理とは、私たちの心や行動が、身の回りの空間に影響を受けるという考え方です。部屋の配置や色、明るさなどが、知らず知らずのうちに私たちの気分や気持ちに作用しているのです。
例えば、散らかった部屋にいると落ち着かない、温かい色の部屋にいるとリラックスできる、といった経験はございませんか。これは、空間が私たちの心に働きかけている一例です。この空間心理の知識を、日々の暮らしに少し取り入れてみましょう。
手軽な工夫で叶える「それぞれの心地よさ」
夫婦二人暮らしだからこそ、お互いの時間を尊重し、一人でリラックスしたり、趣味に没頭したりできる「それぞれの時間」も大切にしたいですよね。そんな「私だけの心地よい場所」を手軽に作るヒントです。
1. リビングの一角に「私の小さな安らぎスペース」を作る
- 配置のヒント: リビングの窓辺や壁際など、少し落ち着ける場所を選んでみましょう。一人掛けの椅子を置いたり、小さなサイドテーブルを添えたりするだけでも、そこが特別な空間になります。もし可能なら、背の低いパーテーションや大きな観葉植物で、ゆるやかに空間を区切るのも良い方法です。物理的な区切りがなくても、そこに座ることで気持ちの切り替えができます。
- 色のヒント: そのスペースのクッションやブランケットに、ご自身がリラックスできる色を取り入れてみましょう。例えば、緑色や青色は心を落ち着かせ、集中力を高めると言われています。ベージュやアイボリーなどのアースカラーは、安心感を与えてくれます。お好みの色を小物でプラスするだけで、その場所の雰囲気が変わります。
2. 寝室の一角を「趣味や読書の時間」に
- 配置のヒント: 寝室の隅に、小さな読書灯と座り心地の良い椅子を置くのはいかがでしょうか。寝る前の数分間、静かに自分の時間を過ごすことができます。寝室は落ち着いた空間であることが望ましいですが、少しの明かりで雰囲気を変えられます。
- 色のヒント: 寝室全体の色は落ち着いたトーンが良いですが、このコーナーに置く小物の色で、少し気分を変えてみましょう。例えば、好きな絵柄のクッションや、心が安らぐ色のひざ掛けを置くなどです。
手軽な工夫で叶える「一緒に過ごす心地よさ」
もちろん、ご夫婦で一緒に過ごす時間も大切です。会話をしたり、同じテレビを見たり、趣味を共にしたり。そんな共有の時間を、より穏やかで心地よいものにするためのヒントです。
1. 会話が弾むリビングのソファ配置と色
- 配置のヒント: リビングで夫婦の会話が多い場所といえば、ソファ周りかもしれません。ソファの配置を、お互いの顔が見えやすいように少し調整してみてはいかがでしょうか。向かい合うように椅子を置いたり、ソファの前に小さなテーブルを置いて、自然と距離が近くなるようにしたりするのも良いでしょう。完全に真正面でなくても、斜め向かいなど、お互いの存在を感じつつも圧迫感がない配置がおすすめです。
- 色のヒント: リビング全体、特にソファ周りのクッションやラグの色に、暖かみのある色（オレンジ、黄色、茶色など）や、安心感のある色（ベージュ、グリーンなど）を取り入れてみましょう。暖色系は心地よい高揚感や親密さを、アースカラーは落ち着きと安定感を与え、穏やかなコミュニケーションを促すと言われています。
2. 食事や読書が楽しいダイニングの色と配置
- 配置のヒント: ダイニングテーブルは、食事だけでなく、お茶を飲んだり新聞を読んだり、一緒に何か作業をしたりと様々な用途で使われます。テーブルを壁から少し離すことで、空間にゆとりが生まれ、圧迫感が軽減されます。また、窓からの光が心地よく当たる場所に配置すると、自然な明るさの中で気持ちよく過ごせます。
- 色のヒント: ダイニングテーブル周りのランチョンマットや椅子のクッションに、明るすぎず落ち着いた色を取り入れてみましょう。食事が美味しく見えるような暖色系や、清潔感のある明るい色がおすすめです。
小さな変化から心地よい空間を
いかがでしたでしょうか。大掛かりな模様替えをしなくても、クッションやブランケットの色を変えてみたり、椅子一つを少し移動してみたり、小さな照明を加えてみたりといった手軽な工夫で、お部屋の雰囲気はずいぶん変わります。
そして、お部屋の小さな変化は、私たちの心にも良い影響を与えてくれます。「私だけの心地よい場所」があることでリラックスできたり、「一緒に過ごす場所」が穏やかな雰囲気になったり。それが毎日の生活に、ささやかな幸せや安心感をもたらしてくれるかもしれません。
まずは、気になる場所から一つだけ、手軽な色や配置の工夫を試してみてはいかがでしょうか。きっと、心と空間が心地よく整っていくのを感じられるはずです。