空間心理で夫婦二人の夜をもっと心地よく。手軽な色と配置の工夫
夫婦二人の夜時間、もっと心地よく過ごしませんか?
お子様が独立されて、夫婦二人の暮らしになったという方もいらっしゃるかもしれません。日中はお一人で過ごすことも多い中、夜はご夫婦でゆっくり過ごされる大切な時間ですね。
でも、なんだか家だと落ち着かない、テレビを見るだけで終わってしまう...ということはありませんか?実は、お部屋の「配置」や「色」を少し工夫するだけで、いつもの夜時間がぐっと心地よいものに変わることがあるのです。
大規模な模様替えや専門的な知識は必要ありません。空間心理の考え方を少し取り入れて、手軽な方法で心安らぐ夜の空間をつくってみませんか。この記事では、すぐに試せる具体的なアイデアとその心理的な効果をご紹介します。
空間心理と夜時間のリラックス
空間心理では、私たちのいる空間が心や行動に影響を与えると考えられています。特に、一日の疲れを癒やし、明日への活力を養う夜の時間は、お部屋の環境が心身のリラックスに大きく関わってきます。
心地よいと感じる空間は、安心感を与え、気持ちを穏やかにしてくれます。ご夫婦で会話を楽しんだり、それぞれの趣味に没頭したり、ただ静かに過ごしたり。どんな過ごし方をするにしても、お部屋が心地よければ、その時間がいっそう豊かなものになるはずです。
手軽な「色」の工夫で心安らぐ夜に
まずは、視覚から心に働きかける「色」の力を借りてみましょう。夜のリラックスには、心を落ち着かせたり、温かみを感じさせたりする色がおすすめです。
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温かみのある色を取り入れる オレンジや黄土色、テラコッタのような暖色系の色は、体感温度を上げる効果があるとも言われ、ホッと安らぎを感じさせてくれます。リビングのクッションカバーやブランケット、小さなラグマットなどにこれらの色を取り入れてみましょう。暖かみのある光の照明(電球色)と組み合わせると、より効果的です。
- 具体的なアイデア:
- ソファにオレンジやベージュのブランケットを置く
- 床に暖色系の小さなアクセントラグを敷く
- テーブルランプのシェードを暖色系のものに変える
- 具体的なアイデア:
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落ち着きのある色で心を鎮める 深い青や緑、グレーなどの落ち着いた色は、リラックス効果が高いとされています。寝室でなくても、夜に過ごすリビングやダイニングの一角に、こうした色の小物やファブリックをプラスすると、ゆったりとした気持ちになれます。
- 具体的なアイデア:
- 椅子の座面に落ち着いた青や緑のクッションを置く
- 壁に飾る絵やポスターにこうした色が入ったものを選ぶ
- 窓辺に深い緑の小さな観葉植物を置く
- 具体的なアイデア:
部屋全体の壁の色を変えるのは大変ですが、こうした小さな面積で色を変えるだけでも、空間の印象と心持ちは変わるものです。季節に合わせて色を変えてみるのも、手軽な気分転換になりますね。
手軽な「配置」の工夫でゆったり過ごせる夜に
次に、お部屋の「配置」を少し見直してみましょう。配置は、私たちの動線や視線、そして人との距離感に影響を与えます。
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視線を落ち着かせる配置 夜、特にリラックスしたい時間には、情報量が多すぎるものや、常に視線を集めるもの(例えば、煌々と光るテレビ画面など)が中心にあると、心が落ち着きにくいことがあります。テレビを見る時間も大切ですが、それ以外の時間のために、少し配置を工夫してみましょう。
- 具体的なアイデア:
- ソファをテレビから少し斜めに向けて配置し、窓の外や観葉植物など、別のリラックスできる景色も視界に入るようにする。
- よく座る場所の近くに、心が安らぐようなお気に入りの小物を飾った棚や、落ち着いたトーンの絵を飾る。
- 具体的なアイデア:
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夫婦それぞれの安らぎコーナーを作る 夫婦二人暮らしの場合、常に同じ空間で過ごすことも多いですね。時には、それぞれの好きなことをして過ごす時間も大切です。同じ部屋の中に、お互いの気配を感じつつも、それぞれが落ち着ける小さなコーナーを作る配置の工夫はいかがでしょうか。
- 具体的なアイデア:
- リビングの窓辺に一人用の椅子とサイドテーブルを置き、読書やお茶を楽しむスペースにする。
- ダイニングテーブルの一角を、書き物や簡単な手仕事ができる作業スペースとして確保する。
- 具体的なアイデア:
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夫婦の会話を促す配置 夜の団らんの時間は、会話も大切な要素です。自然と会話が弾むような配置を意識してみましょう。
- 具体的なアイデア:
- ソファセットがある場合、向かい合わせ、あるいは斜めに座れるように配置を調整する。
- ダイニングテーブルで過ごす時間を増やすために、テーブルの上に温かみのある小さな照明を置く。
- 具体的なアイデア:
孫が来た日などで家具を動かした場合は、夜に向けて元の落ち着ける配置に手軽に戻す習慣をつけるのも良いですね。大掛かりな移動ではなく、椅子を少し動かす、サイドテーブルを寄せる、といった小さなことから始めてみましょう。
小さな工夫が、心地よい夜時間とポジティブな心を作る
ご紹介したアイデアは、どれもすぐに試せる手軽なものばかりです。クッションの色を変える、ブランケットを足す、椅子を少し移動させる。ほんの小さな変化かもしれません。
しかし、こうした小さな空間の工夫が、あなたの心に穏やかさや安心感をもたらし、日々の疲れを癒やす手助けをしてくれるのです。心地よい空間は、心にゆとりを生み、ご夫婦の関係がより穏やかになったり、自分自身と向き合う大切な時間を持てたりすることにもつながるでしょう。
ぜひ、できることから一つずつ試してみてください。お部屋が心地よくなるにつれて、きっと毎日の夜時間が、心満たされる大切な時間になっていくのを感じられるはずです。